夏目漱石著 「草枕」


夏目漱石の小説の「草枕」の中にお茶を表現した文があったので紹介までに書いておきます。

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普通の人は茶を飲むものと心得ているが、あれは間違いだ。
舌頭へぽたりと載せて、清いものが咽喉へ下るべき液はほとんどない。
ただ馥郁たる匂いが食道から胃のなかへ沁み渡るのみである。
歯を用いたるは卑しい。水はあまりに軽い。
玉露に至っては濃やかなる事、淡水の境を脱して、顎を疲らすほどの硬さを知らず。
結構な飲料である。眠られぬと訴うるものあらば、眠らぬも、茶を用いよと勧めたい。

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